アゾスピとバンスピの比較
2019年4月6日 Magic: The Gatheringイゼフェニ隆盛に伴うメタゲームの変遷により、バンスピはメタ外に押し出されてしまっている。
単純にメタ上位に不利デッキが多く、有利がつくデッキは少ない。
しかし、そんなメタでもMO、SCG等でたまに結果を残しているスピリットデッキがある。
アゾリウススピリットだ。
スピリットといえばカンパニーが使えるバントという認識があるが、アゾリウスタイプが単純な下位互換ではないのではということを、模索の意味も込めて掘り下げていってみる。
参考に最近結果を残したリスト
SCG Regionals Durham, 2nd Place
3 Deputy of Detention
4 Drogskol Captain
4 Mausoleum Wanderer
4 Rattlechains
2 Remorseful Cleric
4 Selfless Spirit
4 Spell Queller
4 Supreme Phantom
3 Thalia, Guardian of Thraben
2 Island
2 Plains
2 Cavern of Souls
4 Flooded Strand
2 Hallowed Fountain
1 Horizon Canopy
1 Misty Rainforest
2 Mutavault
1 Mystic Gate
4 Seachrome Coast
4 Aether Vial
1 Dismember
2 Path to Exile
3 Chalice of the Void
2 Damping Sphere
3 Auriok Champion
1 Deputy of Detention
2 Rest in Peace
2 Disdainful Stroke
1 Hurkyl’s Recall
1 Kira, Great Glass-Spinner
まず、どちらのタイプも触ってみて感じたそれぞれの利点と欠点
□バント
利点
・フェッチベース、教主による色マナの安定
・教主、カンパニーによる展開力、復帰力が高く、爆発力がある
・サイドボードの強さ(秋の騎士は受けがとにかく広い)
欠点
・3色によりランドダメージは多め
・ゲーム後半に弱いマナクリが入り、
長引いたときの引きムラ、カンパニーのハズレがある
・カンパニーの採用により、構築やサイドボード入れ替えの制約がある
(クリーチャー数を維持)
□アゾリウス
利点
・2色かつ基本土地を持ってきやすいため、ランドダメージはあまりない
・ユーティリティ土地(変わり谷、ムーアランド)を3-4枚採用できる
・メインサリアにより序盤の妨害力は高い
・鎖鳴らしの攪乱性
欠点
・バイアルへの依存度が高く、マナクリがないぶん展開力は低い
・きれいに裁かれた場合は巻き返しがかなり難しい
採用カードの違い
バントとアゾリウスでは、主に以下が異なる。
・教主、カンパニー、サリア、鎖鳴らしの有無
・バイアル、パスの枚数
・土地
《貴族の教主》
まず色が減っているため、もちろん緑のカードが使えない。
スピリットの強みとして、高速展開からの圧倒、またはインスタントタイミングを活かした攪乱性にある。教主によってマナ加速して展開速度が1段階上がることで、これらの強みに寄与している。バイアルが置けていればこの限りでもないが、4枚しかいれられない以上毎ゲーム初手に引き込むのは不可能である。1マナのサポートを最大8枚(実質7枚)体制とすることで、デッキの強みを引き出しつつ安定性を得ていた。
《集合した中隊》
このカードの強みは、4マナで6マナ分の展開ができ、カード1枚が2枚、インスタントタイミングと、テンポアド、カードアド、攪乱性とデッキが求める要件を満たしている。
しかし、現在の環境はとても高速で、4ターン目ないし3ターン目にキャストしても盤面で負けている相手がおり、サイド後減らされることも少なくない。
《スレイベンの守護者、サリア》
アンフェアな相手やスペルに頼ったデッキには、1枚で数ターン遅らせたり、機能不全にさせることもあり、メインから多めに採用できるのは心強い。バントのサイドから2枚ばかり投入するのは、一緒にカウンターやRIPを入れることもあり、使いづらくなる側面からもあまり強く感じない。
クリーチャー以外のスペルをほとんど使用しない相手(人間、ミラー等)には弱いが、それを差し引いてもメインに採用できるメリットの方が上回っていると感じる。
《鎖鳴らし》
バントでは0-1枚程度でほとんど相手からケアされないカードがアゾリウスでは4枚。フェア相手ではカンパニーが使えない分、除去を1枚でも弾いてカードアド、テンポアドを取っていく必要があるだろう。一度定着すれば、後続に隊長瞬速キャストで相手が除去を打てなくなるパターンもある。
コンボ相手には、捕らえを構えておかないといけないターンでも、相手がケアして動かなかったときに代わりに出していけるため、クロックの展開がしやすい利点もある。
《流刑への道》
バントではカンパニーのハズレを減らすため2-3枚採用が多く、アゾリウスでは気兼ねなく4枚採用できる。
環境のトップメタにして相性の悪いイゼフェニには、氷の中の存在は倒せないと負けなので、触れる手段が多いことは利点に感じる。
《霊気の薬瓶》
同様にカンパニーの制約がなく、4枚フルに採用できる。ただし、教主、カンパニーがない分、バイアルが初手にないと1体ずつ展開していくだけになってしまい、依存度が高い。
土地
なんといっても変わり谷、ムーアランドを複数詰めることは利点になる。スペルがフェアに弱くなっている分、変わり谷はPWに強く、ムーアランドは長引いたときに強い。
慣れていない人は、変わり谷クリーチャー化が解決してからアタック時に廃墟の地を起動してくることがある。鎖鳴らしで守れれば相手だけ土地を失うことになるため、使う側、使われる側とも覚えておいた方が良い。
その他
使用したことはないが、参考に上げたリストではチャリスを取っている。バントでは1マナが多いため、採用しづらいだろう。
1ターン目もしくは2ターン目に置けないと弱いだろうが、それでも環境的には効く相手がそこそこいる(イゼフェニ、グリシャ、バーン、リビエン、親和、トロン、ホロウワン等、除去を1マナに頼ったフェア系にも効くか?)。
チャリスを取る関係上、パスを最低限にし、四肢切断を使っていたりと細かな調整のあとが伺える。
以上のような理由から、アゾリウスタイプも単純な下位互換ではないと考えている。
端的に言えば、フェア相手にはバント、アンフェア相手にはアゾリウスの方が相性が良いイメージがあるため、想定されるメタゲームと好みによって、2つのスピリットデッキを切り替えられるとより良い。
単純にメタ上位に不利デッキが多く、有利がつくデッキは少ない。
しかし、そんなメタでもMO、SCG等でたまに結果を残しているスピリットデッキがある。
アゾリウススピリットだ。
スピリットといえばカンパニーが使えるバントという認識があるが、アゾリウスタイプが単純な下位互換ではないのではということを、模索の意味も込めて掘り下げていってみる。
参考に最近結果を残したリスト
SCG Regionals Durham, 2nd Place
3 Deputy of Detention
4 Drogskol Captain
4 Mausoleum Wanderer
4 Rattlechains
2 Remorseful Cleric
4 Selfless Spirit
4 Spell Queller
4 Supreme Phantom
3 Thalia, Guardian of Thraben
2 Island
2 Plains
2 Cavern of Souls
4 Flooded Strand
2 Hallowed Fountain
1 Horizon Canopy
1 Misty Rainforest
2 Mutavault
1 Mystic Gate
4 Seachrome Coast
4 Aether Vial
1 Dismember
2 Path to Exile
3 Chalice of the Void
2 Damping Sphere
3 Auriok Champion
1 Deputy of Detention
2 Rest in Peace
2 Disdainful Stroke
1 Hurkyl’s Recall
1 Kira, Great Glass-Spinner
まず、どちらのタイプも触ってみて感じたそれぞれの利点と欠点
□バント
利点
・フェッチベース、教主による色マナの安定
・教主、カンパニーによる展開力、復帰力が高く、爆発力がある
・サイドボードの強さ(秋の騎士は受けがとにかく広い)
欠点
・3色によりランドダメージは多め
・ゲーム後半に弱いマナクリが入り、
長引いたときの引きムラ、カンパニーのハズレがある
・カンパニーの採用により、構築やサイドボード入れ替えの制約がある
(クリーチャー数を維持)
□アゾリウス
利点
・2色かつ基本土地を持ってきやすいため、ランドダメージはあまりない
・ユーティリティ土地(変わり谷、ムーアランド)を3-4枚採用できる
・メインサリアにより序盤の妨害力は高い
・鎖鳴らしの攪乱性
欠点
・バイアルへの依存度が高く、マナクリがないぶん展開力は低い
・きれいに裁かれた場合は巻き返しがかなり難しい
採用カードの違い
バントとアゾリウスでは、主に以下が異なる。
・教主、カンパニー、サリア、鎖鳴らしの有無
・バイアル、パスの枚数
・土地
《貴族の教主》
まず色が減っているため、もちろん緑のカードが使えない。
スピリットの強みとして、高速展開からの圧倒、またはインスタントタイミングを活かした攪乱性にある。教主によってマナ加速して展開速度が1段階上がることで、これらの強みに寄与している。バイアルが置けていればこの限りでもないが、4枚しかいれられない以上毎ゲーム初手に引き込むのは不可能である。1マナのサポートを最大8枚(実質7枚)体制とすることで、デッキの強みを引き出しつつ安定性を得ていた。
《集合した中隊》
このカードの強みは、4マナで6マナ分の展開ができ、カード1枚が2枚、インスタントタイミングと、テンポアド、カードアド、攪乱性とデッキが求める要件を満たしている。
しかし、現在の環境はとても高速で、4ターン目ないし3ターン目にキャストしても盤面で負けている相手がおり、サイド後減らされることも少なくない。
《スレイベンの守護者、サリア》
アンフェアな相手やスペルに頼ったデッキには、1枚で数ターン遅らせたり、機能不全にさせることもあり、メインから多めに採用できるのは心強い。バントのサイドから2枚ばかり投入するのは、一緒にカウンターやRIPを入れることもあり、使いづらくなる側面からもあまり強く感じない。
クリーチャー以外のスペルをほとんど使用しない相手(人間、ミラー等)には弱いが、それを差し引いてもメインに採用できるメリットの方が上回っていると感じる。
《鎖鳴らし》
バントでは0-1枚程度でほとんど相手からケアされないカードがアゾリウスでは4枚。フェア相手ではカンパニーが使えない分、除去を1枚でも弾いてカードアド、テンポアドを取っていく必要があるだろう。一度定着すれば、後続に隊長瞬速キャストで相手が除去を打てなくなるパターンもある。
コンボ相手には、捕らえを構えておかないといけないターンでも、相手がケアして動かなかったときに代わりに出していけるため、クロックの展開がしやすい利点もある。
《流刑への道》
バントではカンパニーのハズレを減らすため2-3枚採用が多く、アゾリウスでは気兼ねなく4枚採用できる。
環境のトップメタにして相性の悪いイゼフェニには、氷の中の存在は倒せないと負けなので、触れる手段が多いことは利点に感じる。
《霊気の薬瓶》
同様にカンパニーの制約がなく、4枚フルに採用できる。ただし、教主、カンパニーがない分、バイアルが初手にないと1体ずつ展開していくだけになってしまい、依存度が高い。
土地
なんといっても変わり谷、ムーアランドを複数詰めることは利点になる。スペルがフェアに弱くなっている分、変わり谷はPWに強く、ムーアランドは長引いたときに強い。
慣れていない人は、変わり谷クリーチャー化が解決してからアタック時に廃墟の地を起動してくることがある。鎖鳴らしで守れれば相手だけ土地を失うことになるため、使う側、使われる側とも覚えておいた方が良い。
その他
使用したことはないが、参考に上げたリストではチャリスを取っている。バントでは1マナが多いため、採用しづらいだろう。
1ターン目もしくは2ターン目に置けないと弱いだろうが、それでも環境的には効く相手がそこそこいる(イゼフェニ、グリシャ、バーン、リビエン、親和、トロン、ホロウワン等、除去を1マナに頼ったフェア系にも効くか?)。
チャリスを取る関係上、パスを最低限にし、四肢切断を使っていたりと細かな調整のあとが伺える。
以上のような理由から、アゾリウスタイプも単純な下位互換ではないと考えている。
端的に言えば、フェア相手にはバント、アンフェア相手にはアゾリウスの方が相性が良いイメージがあるため、想定されるメタゲームと好みによって、2つのスピリットデッキを切り替えられるとより良い。
コメント